ジムの中に自分のフォームや姿勢のチェックをする鏡張りのコーナーがあります。
先日、その場所でバレエの衣装を身に付けた女性がアラベスク※の練習を行っていました。
おそらく上級者なんでしょうね、その華麗な動きは他の会員がその場に近寄れないくらいの迫力がありました。
しばらく踊り続けて、一段落したのでしょうか、彼女が隅の方に下がって汗を拭いている時のことです。
どこからともなく現れた中年の男性会員が、ダンベルを持ち出して、その場所で筋トレを始めてしまったのです。
さて、彼女が一息ついて鏡の前に戻ると、自分のモノだった筈の場所が、一瞬の間に見ず知らずのオジサンに占領されてしまっているわけですよ。
よほど、びっくりしたのでしょうね? 彼女は唖然とした表情で、オジサンを睨みつけていましたが、もちろん彼女には、オジサンに文句を言える権利はありません。
そこは誰でも使えるフリースペースですからね。
一方、オジサンの方もいくぶん配慮に欠けているとはいえ、誰もいないから筋トレを始めたわけで、誰からも攻められる筋合いのものではありません。
目を吊り上げながら、憤然とその場を立ち去る女性と飄々と筋トレを続けるオジサンの対比が、余りにもおかしくて思わず笑みがこぼれてしまいました。
ジムに通っていると、時々こうした面白い光景に出くわす事があるのです。
※アラベスク: バレエの技法のひとつで、片方の足で立ち、一方の足を後ろに高くあげるポーズのこと。
コメントをお書きください