ビール1杯のお付き合い?

ジムから出て駐輪場に向かっていると、いきなり後ろから「お~ぃ!」という大きな声が聞こえてきました。

何事かと振り返ると、トレーニングの最中に時々会話を交わす顔見知りが私に向かって手を振っています。

そして、私に近づいてくるなり「1杯だけ生ビール飲んでいきましょうよ!」と云うではありませんか!

 

サウナから出た後で喉はカラカラでしたから、二つ返事で「OK!」と云いたいところですが、考えてみれば会話こそすれ、私はその人の名前も知らなければ、性格も分らないわけですよ!

そんな人の誘いに簡単に乗るのはあまり好ましくありませんよね?

 

というのも、学生の頃友人から「ご馳走するから、一杯飲みに行こうよ!」と誘われて、ついて行った先で某宗教団体の猛烈な折伏攻撃にあった苦い思い出があるのです。

 

「折角ですが。」と固辞して自転車に乗ろうとすると、「1杯だけ、1杯だけだから!」と私の手を取って近くの店へ連れて行かれてしまいました。

そこまでされて、断るのも大人気ありませんから、「それでは1杯だけ!」と店に入り、中ジョッキをそれぞれ頼みました。

 

こんなケースの場合、だいたいが1杯で済むわけがないのです。

私も飲み出したら止まらない方ですからね。

ところがですね!つまみも取らず生ビール1杯、時間にして10分足らずで本当にお開きになったのですよ!

 

これは私の半世紀余に亘る「飲酒歴」の中で初めての出来事です。

ただですね、次にこの方と会ったら、立ち話だけでは済まなくなるでしょうね?

ご馳走になったお礼も言わなくてはならないし、場合によってはお返しと云うことにもなりかねません。

 

私はこのような関係になるのが嫌で、日頃から人見知りの振りをしながら、これ以上の知り合いを増やさないように努力しているのです。

私は元来不器用な人間ですから誰、彼構わず愛想を振りまくことが出来ません。

 

ご馳走になっておいて大変申し訳ありませんが、今回の生ビール1杯限りのお付き合いと云うことにさせてください。

 

折伏(しゃくふく):日蓮宗系の布教活動のひとつ。