マニラ旅行 part-11 陶酔の世界に

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カーテン越しとはいえ眩いばかりの朝日で目を覚ましました。

さぁ、今日から帰国の日まで夜の食事以外の時間はすべて私一人で賄わなければいけないのです。

まずはジムへ行って軽く汗を流すことにしました。

入り口では何人もの顔馴染みのスタッフが「オハヨゴゼ~マス!」と流暢な日本語で挨拶してくれるのです。

やや、発音に難点はありますが気分の良いものです。

ストレッチとバイクをこなして部屋に戻りシャワーを浴びた後は私にとっては貴重なスケジュールの一つである朝食の時間です。

マンゴーやハニーデュー等フルーツ中心の食事をたっぷりと時間をかけて頂いたつもりでしたが、時計を見やると9時にもなっていません。

このまま食堂の椅子に座ってボーっとしているわけにもいきませんから次なる行動に移らなければならないのですが、すでに南国惚けしてしまっている私の頭では何も思いつくことがないのです。

買い物も前日に済ませてしまいましたし、マッサージも二日連続というのはねぇ?

結局、プールサイドで読書ということになりました。

私の顔を見ると、これまた顔馴染みのプールガードのAちゃんが真新しいバスタオルをデッキチェアーに巻きつけて席を作ってくれました。

チェアーに身を横たえ静かに目を閉じていると、プール遊びをする人達の嬌声がいつしか心地良い響きに変わり私を陶酔の世界へと誘ってくれるのです。(何となく小説家のような言い回しですね!

フッと目を覚ませば冷たいビールで喉を潤し、再び浅い眠りにつく。

そして、時は過ぎビルの陰に夕陽が隠れる頃、ボーイが迎えの車の到着を告げに来てくれます。

簡単な着替えを済ませて車に乗り込みステーキハウスに向かう。

私にとってはかってない、そして今後も決して経験することの出来ない優雅な生活を堪能させてもらいました。