さもしい節約術

先日、1200円払えば食べ放題の店で、ピザやお好み焼き等合わせて5kgをリュックに詰めて持ち帰ろうとした男性が捕まったというニュースが報道されました。

このニュースを目にした多くの人が「みっともない!」とか「恥ずかしくないの!」と思ったに違いありません。

確かに褒められた行為ではありませんが、でも、果たしてこの男性を非難できる人が、一体何人いるでしょうか?

今の時代、誰もが「みっともない」ことや「恥ずかしい事」を平気でやっているではありませんか?

例えばスーパーの安売りで一尾5円の秋刀魚や11円の大根に老若男女が群がり、取り合う様は「みっともない」を通り越して醜悪としか映りません。

1円でも安い品を買って家計費を節約するという気持ちも分らないではありません。

だからといって、店側の「もってけ泥棒!」的な戦略に乗せられて安けりゃなんでもいい、買わなきゃ損だ!といいながら、必要のないものを大量に買い込んでしまうというのは、私から見れば「さもしい節約術」と言わざるを得ません。

その他にも目の前に高齢者や怪我をして杖をついた人がいても、平然と優先席に座っている人やバーゲン品を見つけるとここぞとばかりに買い漁るご婦人たちの精神構造は前述の持ち帰り男性と、さして変わりがないような気がするのですが?

奥ゆかしさを美徳として、控え目な態度を良しとした日本人の心はどこに行ってしまったのでしょうか?