先日の大雪(?)も大分融けてきましたが、日の当たらないところは、まだアイスバーン状態になっていて油断をすると転んでしまいそうです。
私は雪が降るのを眺めるのが好きで、特に街灯に照らされて雪が深々と降る幻想的なシーンが大好きです。
ところが一夜明けて現実に戻ると、待っているのは「雪かき」です。
普段スコップなど使ったことのない我々にとっては、かなりの重労働を強いられることになります。
でも、この程度の雪で音を上げているようでは、雪国の人達に鼻で笑われてしまうでしょうね。
その昔、私が薬の行商人として、全国を飛び回っていた頃の話です。
冬のまっさなかに、会津若松のお得意さんの会社に向かいました。
郡山を出た頃から降っていた雪が、猪苗代を過ぎたあたりから激しくなり、
アッという間に車窓が真っ白になってしまいました。
あれは雪というより、まるで「白い魔物」が列車を包み込んだような感じでした。
そうして、会津若松まであと一歩という所で、ついに列車が立ち往生してしまったのです。
その時の模様は、まさに「筆舌に尽くしがたい」という表現がピッタリでした。
とにかく、窓の外から白い壁が迫ってくるようで、とてつもない恐怖を感じたのを、今でも鮮明に覚えています。
4時間ほどして救援のバスが来たのですが、それからが、また大変でした。
こちらは普通の革靴を履いていますから、足が雪の中に潜り込んでしまい、なかなかバスまで辿りつけないのです。
50mくらいの雪の中を歩くのに30分ほどかかったでしょうかね?
悪戦苦闘の上、バス会社が用意してくれた旅籠(はたご)に着いたのが深夜の2時でした。
地元の人は「こんなこと、よくあるだっぺよ!」といっていましたが、私にとっては、まさしく雪山で「遭難」したような気分でした。
それ以降、雪が降るたびに遠い昔の出来事を懐かしんでいます。
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