ジムの一角にはストレッチコーナーが設けられていて、皆さん思い思いのポーズで熱心にストレッチを行っています。
我がジム友もトレーニングの前後には入念にストレッチを行っているのですが、少ない努力で大きな結果を求めるタイプの私にとって、ストレッチのように地道な作業というのはどうしても馴染めないのです。
それに、人前で身体の硬さを自ら晒すような不様な真似はしたくないという気持ちも強く、これまで蔑ろにしてきました。
ところがですよ、数か月前には私と同じくらい身体の硬かったアーノルドさんが、いつの間にか開脚前屈を難なくこなしているのです。
ここのところ熱心に取り組んでいたのは知っていたのですが、これを目の前で見た時はショックでしたねぇ!
私は人が何かに成功するのを見聞きすると、異常なばかりの嫉妬心を覚えるのです。
涼しげな顔をして胸を床に着けているアーノルドさんの姿を見てからというものは悔しくて夜も寝られなくなりました。
それなら自分もやれば良いのでは?と思うでしょうが、前述の如く妙なプライドがあるものですから、なかなか実行に移せません。
そこで、はたと名案が浮かびました。
恰好が付くまでは、自宅でやる事にしたのです。
これなら、みっともない姿を他人に見せなくて済みますからね。
こう決意してから、何もしないまま、早くも1週間が過ぎてしまいました。
やはり、私にはストレッチが向いていないのでしょうか?
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