「一人酒」

よく居酒屋で一人静かに美味しそうにお酒を飲んでいる人を見かけますよね。友人にも何人かいるのですが、私にはどうしてもこの「ひとり酒」が出来ないのですよ！やってみたいとは思うのですが、一人だと何となく手持無沙汰になって何をしていいか分らなくなってしまうのです。そんなわけで、なかなか踏ん切りがつかないまま今日に至っていたのですが、ある日用事で上野・アメ横の近くに行く機会がありました。ガード下を通りかかると、どこからともなく焼き鳥のいい匂いが漂ってきたのです。匂いに誘われるままに足を向けると「大○領」という看板が目に入ってきました。ここはTVでも良く取り上げられ、中でもモツ煮が美味しいと評判の店ではありませんか！これぞ千載一遇のチャンスです。私は意を決して「ひとり酒」にチャレンジすることにしました。店員の「いらっしゃい！どうぞ！」という掛け声に促され躊躇することなく店内に入ることができました。時は春まだ浅い昼の1時半です。それでも店内はすでに七分ほどの客で賑わっていました。カウンターの隅に腰かけ、早速生ビールと名物のモツ煮を頼みました。それにしても昼間に飲む酒というのはどうしてこうも旨いのでしょうね？皆さんが働いている時間になんだか申し訳ない気持ちですが、とにかく旨い！続いて出てきたモツ煮も噂通りの味でした。いやぁ～「ひとり酒」も良いもんだなぁと、しばし感慨に耽っていたのですが、15分もすると、何もすることがなくなってきてしまいました。隅っこに座っているので誰と喋るわけでもなく、ただ黙々とビールを飲みモツを口にして、目の前をボーッと見つめているだけなのです。「ひとり酒」の愛好家はこの何ともいえない孤独感を楽しんでいるのでしょうか？そう思ったら急に淋しくなって店を出ることにしました。

というわけで、最初の「ひとり酒」チャレンジは早々に挫折してしまいましたが、生ビール500円、モツ煮450円合せて950円の少ない投資で貴重な体験をすることができました。

次回はもう少し長居が出来るよう頑張ってみたいと思います。